2022年8月5日 「第2回Google Workspace for Education体験型勉強会」を開催
2022年08月09日
8月5日(金)午後、本部棟第二会議室において「第2回Google Workspace for Education体験型勉強会」が開催され、茨城県大子町立生瀬小学校の清水洋太郎先生、千葉県八千代松陰中?高等学校の井上勝先生の指導のもと、19人の教職員と学生が体験型勉強会を受講しました。
最初に、新津勝二総務?財務担当理事による勉強会の趣旨説明と講師紹介が行われた後、清水先生から「Google Workspace for Education をフル活用した学校教育活動について」というタイトルで、生瀬小学校における実践例を中心に講義が行われました。GIGAスクール構想の導入後約2年間の学校教育活動(授業での活用のほか、教職員の資質?能力の向上や学校の働き方改革等)の具体的な活用事例と成果がスライドや写真、YouTube動画等で説明され、さらに、Google Workspace for Education をツールとして、教員や事務職員の立場や目的に合わせて活用するにはどのように応用すればよいかという視点でお話しいただきました。茨城県大子町の豊かな自然環境(アナログ)を生かした教育活動を先進的なICT環境(デジタル)を活用することでより効果を高める、令和型ハイブリッド教育の様子を具体的に伺うことができました。
次に、井上先生からは「Google Workspace for Education をフル活用するための10X授業及び情報セキュリティ」というタイトルで、現行学習指導要領のポイントとGIGAスクール構想の目的についての振り返りが行われ、『ICT活用は手段であり、授業の流れの基本は変わらない。従来の手法の効果を高めたり、ICTを活用した方がより効果的であったりする場面で活用することが大切である』といったことなど重要なポイントが示唆されました。その後、クラウド上の情報セキュリティについて丁寧な説明が行われ、特に、 Google の情報セキュリティに関しては、情報を100%クラウドに保存することで脆弱(ぜいじゃく)性をなくしているということ、ユーザー側の情報セキュリティに関しては、Google 管理コンソールを管理する担当者の責任が重要であることを指摘いただきました。従来ありがちだった安全性を重視しすぎて利便性が損なわれるような設定ではなく、そのバランスを考えて、現実的な情報セキュリティ対策で運用することが大切であることを学ぶことができました。
その後行われた演習では、清水先生が教師役、井上先生がサポート役のもとで参加者が児童生徒役になって「デジタル作文マスターになろう」という国語の授業が行われました。参加者には、各自で事前に用意した写真をスライド内に挿入し、作文をデジタルで完成させるという課題が、研修用のClassroomからそれぞれの参加者に割り当てられました。慣れない操作に戸惑いながらもいろいろな思いが込められた写真について楽しそうに作文を入力していました。その後、清水先生から、共有設定されたスライドに完成した作文をコピー&ペーストして全体の「作文集」を完成させるよう指示が出され、さらに、他の人の作品にそれぞれコメントを入れること、そのコメントに返信することが提案されました。教室内で他の児童生徒の作品を同時に見てコメントを入れることは従来の授業ではできなかったことですが、クラウド上で全員に共有された「作文集」を見て楽しそうにコメントのやりとりをする姿がとても印象に残った演習となりました。
今回の勉強会は、事前に参加者限定のClassroomが作成され、前日から資料や課題が共有されていたので従来の勉強会よりも参加しやすかったようです。また、この Classroom は勉強会が終わった後もクラウド上に残されるため、教師への質問や参加者同士の交流も継続して行うことが可能となっています。1人1台端末時代になり、教育の本質は変わらないながらも、教え方と学び方は現場を中心に確実に変わってきています。社会の変化に対応した教員養成改革の必要性をあらためて実感するとても貴重な機会になりましたので、今後もこうした体験型勉強会を継続して開催していきます。
【参加した学生の感想】
〇ICTを活用するとはいえ、やはり知識がなければだめだなと感じました。今後も研修などのこうした貴重な機会を使ってICTの知識を深めていきたいと思います。
〇具体的な活用事例を幅広く見ることができ、非常にためになりました。
〇Google Workspaceは、Googleアカウントさえあれば誰でも利用できるのでもっと友達や愛教大生に勧めていきたいと思います。
〇活用の一例として非常に分かりやすい演習でした。
【参加した教職員の感想】
〇さまざまな実践例を聞くことができて、とても参考になりました。
〇保護者もICTを活用しながら学校現場につながることができる仕組みができてほしいと思いました。
〇子どもたちが利用している雰囲気が伝わってきて良かったです。
〇「まずは触れてみよう」の考えでトライしたいです。
〇Googleドキュメントを使って会議の議事要録作成をしてみて、活用できるなと思いました。
〇教員研修に活用できそうなアイデアをたくさんいただきました。
《生瀬小学校 清水 洋太郎先生の講評》
夏休みにもかかわらず、たくさんの皆さんに熱心に受講いただき、感謝しております。ICTはあくまでも子どもたちが「今も未来も、自分たちを幸せにする力を育むためのツール」です。活用することを通して、自分のために他者のためにどう使っていけばよいのかということを考え、その良さを体感していくこと大切です。今回の勉強会で一番意識した部分でもあります。ですから、先生方にも、アナログとデジタルの良さを生かす指導方法に、どんどんチャレンジしてほしいと思います。「習うより慣れろ!」です。児童生徒の気持ちでフル活用してください。
講義と演習後にお配りしたフォームにもたくさんの声を寄せていただきました。その中に、次のようなコメントがありました。
- 「説明に回る清水先生がとにかく楽しそうでした。とてもいい雰囲気の中で時間を忘れて学びました。(中略)ツールは手段として、活用する人の心の成長?態度も本当に大事だと思います。」
その通りです!指導する立場の私たちが、まず何より楽しむことが大切です。そのことがしっかり伝わったことをうれしく思います。 今回の勉強会が、少しでも愛教大の皆さんのお役に立てば幸いです、「ICT=いつでも ちゃんと つながる」「ICT=いつでも ちゃんと 楽しむ」です。これからも共に学ばせていただきたいと思います。今回は貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。
《八千代松陰中?高等学校 井上 勝先生の講評》
学生の皆さんと教職員の皆さんが同時に参加される勉強会でお話をさせていただくという貴重な機会をいただきありがとうございました。
Classroom の「デジタル作文マスター資料」クラスに
- ?共有スライドのメリットを理解できました。
- ?共同編集はいつやっても楽しいです。
- ?共同編集の良さを、体験を通じて実感することができました。
- ?自分の作文にコメントをしてもらうとうれしくなりますね!
- ?コメントをいただくことができうれしかったです。
といったコメントが寄せられています。
今やチームで成果を上げることが重要視される時代です。学校も然り、そして授業も子どもたちと教師で作り上げるものなので、ある意味チームで成果を上げるものといっていいでしょう。そこには「共有」「恊働」が欠かせません。
今回、我々が伝えたかったことの一つであった「共有がクラウド活用の最大のメリット」であることを感じていただき大変うれしく思っています。
学生?教職員が一体となりチーム「愛教大」で使いやすいクラウド教育環境のもと、これまでの教育実践の蓄積とICTをベストミックスさせ成果を上げていかれることを祈念いたしております。
(理事?副学長 新津勝二)