学長のことば

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 令和5年11月19日(日)本学講堂にて、創基150周年記念式典を挙行することができました。

 愛知教育大学の淵源は、日本の近代学校の発足と期を一にして、明治6年(1873年)に開校した「愛知県養成学校」に始まります。その2年後に「附属小学校」が開校しました。その後、師範学校、学芸大学と移りその間、統合や移転がありました。また附属学校も次々にいくつかの校種で開校?開園されてきました。この150年間、記念式典にご臨席いただいたご来賓の皆様方はじめ様々な皆様のご支援?ご協力により、附属学校園と共に充実?発展を遂げてきました。

 学生は、大学で理論を学び、附属学校等で実践力を高め、教員となり、教育界に貢献する。その姿に憧れた子どもたちが、また本学に入学するといったサイクルが、質を高めながら何世代にも渡り回ってきているものと思います。

 明治の先人たちは、教育を新しい国づくりの礎と考え、近代的な学校制度を整えました。その後、大正、昭和、平成、令和と時代は移り、世界は加速度的に変化し続けていますが、国づくりの根幹は、今も変わらず人づくりです。他方、新しい時代を切り拓くには、高邁な理想を共に抱く仲間、柔軟で斬新なアイディア、協働してやり遂げる強い意志が必要です。

 また、これからは、知識を得ることより、活用力を身に付けることが重要な社会になります。そのためには、探究型の学習が必要となり、小中学校の「総合的な学習の時間」や高等学校の「総合的な探究の時間」が核になっていくと思います。私は、生活科や総合的学習を専門としており、これまで参観した多くの授業を通して、多くの教師に出会ってきました。優れた授業を展開された先生方は、人間力に溢れた方々でした。教員養成、教育を支える専門職の養成においての基礎は、この「人間力」を培うことだと思います。それには、多様な体験をし、多様な方々と触れ合うことが必要であると考えます。

 こうした考えのもと、これまでに培ってきた教員養成の「知の拠点」としての役割を果たし続けるため、そして本学の取り組みを未来へとつなぐために、令和3年3月に「未来共創プラン」(愛知教育大学中長期ビジョン?目標?戦略)を策定し、学長就任時にキャッチフレーズとして掲げた「子どもの声が聞こえるキャンパス」、「地域から頼られる大学」の実現に向けて、取り組んでいるところです。例えば、「子どもキャンパスプロジェクト」では、令和4年度は30回ほどのイベント等に約3000人の子どもたちを招くことができました。引率の先生方、保護者、本学の学生?教職員、地域で協力いただいた方は約2500人となります。子どもと触れ合う中で、学生は教職等への意欲を高め、子どもは活動対象や教職に関心をもってくれることをねらっています。

 創基150周年を迎え、先輩諸氏がいくたの困難を乗り越え発展させていただいたことに敬意を表すると共に、次なる50年を見据えた取り組みとして、令和4年12月の中央教育審議会答申にあげられた「多様な専門性を有する質の高い教員集団の形成」を受け、多様な立場の人々と連携?協働する新たな体験活動をカリキュラムに位置付けることで、多様な教師集団をコーディネートできる力を有した教員、専門教科を超えた文理融合、STEAM教育を実行する科目、学校教員養成課程と教育支援専門職養成課程の学生が共に学ぶ機会を増やし、大学教育からの「チーム学校」体制の構築など、今後も大学と附属学校園、地域社会の皆様と協働し、「創基150周年を迎え、新しい形の教員養成に挑戦し教職の魅力を高め、未来につなぐ!」を新たなコンセプトとして、一丸となって使命を果たしていきたいと考えています。

令和5年12月6日

愛知教育大学長 野田敦敬

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