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2021年2月27日 教職の魅力共創プロジェクト公開シンポジウム「学校?地域?社会で共創する教職の魅力」を開催しました。

2021年03月04日

2月27日(土),次世代教育イノベーション棟で教職の魅力共創プロジェクト公開シンポジウム「学校?地域?社会で共創する教職の魅力」を開催し,オンラインを含めて,学生,一般の方,教職員が約50人参加しました。

公開シンポジウムの様子 公開シンポジウムの様子

このプロジェクトは今年度,文部科学省「教員の養成?採用?研修の一体的改革推進事業」に採択されたもので,多様な立場においてどのように教職が理解されているかについて探り,教職の魅力向上に向けた課題を明らかにすることで,社会と大学が一体となって教職の魅力を問い直し,発信することを目的としています。プロジェクトでは今年度「地域フォーラム」として,多様なバックグラウンドを持つ社会人や,高校生およびその保護者と共に教職の魅力について意見交換を行ってきました。また,教職に対する魅力やイメージを知るために,中高生や保護者,さらに一般の社会人を対象にアンケート調査を実施して,全国から6713件の回答を得ました。今回の公開シンポジウムは,プロジェクトの総括としてアンケート調査の結果報告を行うとともに,教育界?産業界をリードする方々と教職の魅力に関する意見交換を行う場として開催されました。

まずアンケート調査の結果報告が,宮川貴彦准教授(理科教育講座)から行われました。アンケートは,全国の成人に対するオンラインによる調査,県内の中高生へのマークシートによる調査,主な回答者を附属学校の保護者?教職員?本学学生としたWeb調査という3つの調査方法で実施され,「魅力的だと思う職業」「教職に対する魅力」「教職に対するイメージやそのイメージがどこで得られたか」などについて調査を行いました。アンケート分析の結果,教職の魅力は回答者の職業観にかかわっていること,教職に魅力を感じるかどうかにかかわらず「教職は働きがいがあり職業として安定しているが,長時間労働と仕事上のストレスがある」というイメージが定着していること,教職に魅力を感じる人ほど教職に「創造的で発展的である」「仲間と協力しあえる」というイメージを持っていること,中高生は教員に対し部活動やICT?英語教育の指導力を他の年代よりも多く求めていることなどが分かりました。また,教職のイメージは多くが「新聞やテレビの報道」と「身近な学校教員」から得られており,教職に魅力を感じる層では「身近な学校教員」からの影響がより大きく,教職に魅力を感じない層では「新聞やテレビの報道」からの影響がより大きい傾向にあることが報告されました。

アンケート結果報告に続いてシンポジウムが開催されました。シンポジストとして,津島市教育委員会教育長 浅井厚視氏,文化庁国語課長 柳澤好治氏,(株)キャッチネットワーク代表取締役社長 松永光司氏,(株)エスワイフード代表取締役 山本久美氏,そして本学の野田敦敬学長が登壇しました。浅井氏,山本氏,野田学長は本学の卒業生で,学校教員経験者でもあります。

浅井厚視氏;浅井厚視氏

柳澤好治氏柳澤好治氏

松永光司氏松永光司氏

山本久美氏山本久美氏

野田敦敬学長 野田敦敬学長

シンポジストは全国的な教員養成の状況,教職の魅力ややりがい,学校と地域とのかかわり,働き方改革の実践,仕事の自由度や社員の個性,そして教員養成大学に求めることなど,それぞれの立場からさまざま切り口で発言されました。その後,意見交流においては,「教員の多様性と自由裁量をもっと認めるべきではないか」「教員の働き方改革も必要。仕事が属人化しすぎているのではないか」「教員のみで完結する発想をやめるべきではないか」「学校はまだまだ閉鎖的なのではないか」との意見が出され,活発な議論となり,教職の魅力を地域社会と共に創っていくための示唆に富んだシンポジウムとなりました。

当プロジェクトは文部科学省の事業としては今年度で終了となりますが,大学としては引き続き進め,高めていくことを,最後に野田学長が発表しました。叢書シリーズ「教職の魅力共創(仮)」も本学出版会より来年度から刊行開始する予定です。

(広報課 副課長 古田紀子)

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