2020年12月15日 第21回AUEアカデミックカフェを開催しました。
2020年12月25日
12月15日(火),教育未来館多目的ホールにて,数学教育講座 飯島康之教授を講師として,第21回AUEアカデミックカフェ「図形を動かすことでこんな授業をつくってきた」を開催し,教職員,一般,学生あわせて50人を超す参加者がありました。
講師の飯島教授は,コンピュータ上で図形を数学的に作図し,動かして調べることができるソフトウェア"GC(Geometric Constructor)"を開発し,中学校,高等学校の数学の先生方と共に,長年に渡って,授業研究?教材開発を行ってきました。今回のアカデミックカフェでは,参加者に一人一台iPadが配布され,参加者はこのソフトウェアを使って,自分の手を動かして,図形の動きを体験しました。
「ここにある四角形はそれぞれ正方形に見えますが,それぞれある形の特別な場合として正方形になっているので,動かして正体を見抜いてください」と飯島教授が準備した「正方形に見える四角形」を動かしてみると,その正体は平行四辺形だったり,台形だったり,長方形だったり,円に外接する四角形だったりしました。「これから一人一台端末が配布されることになったときに,こんな問題も考えられるという提案です」と飯島教授は話します。
その後も,「三角形の頂点Aの二等分線が底辺BCを3:1に分ける点を通るようにして点Aの記録を残してください。たくさんとるとどんな形になりますか?」や「三角形を作図した場合に,正しく測って正しく四捨五入して足し算したのに,内角の和が180°にならないことがある?(ある)」「正しくならない確率はどれくらいあるのでしょう。(実は25%もある)」や「ラグビーでコンバージョンゴールを蹴るとき,角度が一番大きくなるのはどこでしょう」などの問題を,iPadを使って体験しました。そして,飯島教授はそれぞれの問題の後,各学校段階でどのような授業の展開が考えられるかについて解説しました。実際に図形を動かして試してみること自体も楽しいですが,飯島教授の楽しい語り口に,参加者はすっかり魅了され,講演に集中しました。
参加者からは「生徒目線を体験できた」「図形に興味をもてる内容だった」「図形の授業でのヒントが得られた」「自分で試すことができて理解が深まった」などの感想が寄せらせ,大変有意義な講演となりました。
(広報課 副課長 古田紀子)