2020年10月13日 第20回アカデミックカフェを開催しました。
2020年10月21日
10月13日(火),愛知教育大学で養護教育講座 岡本陽准教授を講師としてAUEアカデミックカフェ「コロナ禍の消毒液の使い方」を開催しました。今回の講演は,一般の方にも関心の高いテーマとあって,約50人もの参加者がありました。
講演の冒頭,岡本准教授は1910年のハレー彗星接近時の騒ぎを取り上げました。これはハレー彗星が接近する際に,地球上から酸素がなくなるという噂が広まり,息をとめる練習をしたり,自転車のゴムチューブを買い占めたりした,というものです。岡本准教授は,さまざまな消毒薬の噂が飛び交い,新型コロナウイルスに効くといわれたものが買い占められる現在の状況と比較して,「ハレー彗星接近時のことを笑えない状況が起こっている。消毒薬はなぜ効くのかを知ることで噂話にまどわされなくなる」と述べました。
講演では,感染症やウイルスや細菌といった微生物の仕組みなど基本的な知識をはじめ,このコロナ禍で急速に研究が進んでいるマスク,手洗い,うがい,学級閉鎖などの感染症予防の効果に関する最新の実験結果が,自身の研究も含めて紹介されました。岡本准教授は専門的な話を,漫画やイラストを使って,時にユーモアを交えながら分かりやすく説明し,参加者は皆,講演に聞き入りました。そして,講演の最後の話題としてそれまでの説明を踏まえて消毒薬の選び方について説明がありました。消毒薬は対象とする病原菌と用途によって選ぶ必要があると述べ,「手指の消毒はアルコール,モノの消毒もアルコール,非金属なら次亜塩素酸も可,環境消毒は効きそうだが,人的?物的リソースには限りがあるので消毒箇所は選ぶ必要がある」とまとめました。
参加者からは「どんな消毒薬を使えばよいか分かった」「新しいことを知ることができた」「微生物の視点からの話などとても興味深く分かりやすかった」といった感想が寄せられ,大変有意義な講演となりました。
(広報課 副課長 古田紀子)