2017年12月16日 「外国人児童生徒支援リソースルームシンポジウム」を開催
2018年01月09日
12月16日(土),愛知教育大学において,「外国人児童生徒リソースルームシンポジウム」を開催しました。
このシンポジウムは,HATOプロジェクト内の先導的実践プログラム部門「外国人児童生徒学習支援プロジェクト」によるもので,今年度は「"子どもを支えたい"その思いをつなげる-愛教大と多様な機関との連携から-」をテーマに実施されました。ブラジル人学校,教育委員会や幼稚園?保育園,小学校など,各教育関係機関の立場で現在取り組んでいる連携の姿を紹介し,「どのような連携ができるのか」,また,「どのような連携が必要か」について検討しました。
当日は,西淵茂男連携担当理事より,「本学の特色の一つである外国人児童生徒支援については,学校単独では実施しきれない部分も多々あり,多様な機関とさまざまな連携?緊密な連携をとっていくことが子どもたちのためになると思っています。本日のシンポジウムで外国人児童生徒支援のあるべき姿を再確認したい」とあいさつがありました。
シンポジウムは,外国人児童生徒支援リソースルームスタッフ鈴木絵莉さんより,「愛知教育大学と多様な機関との連携」としての報告があり,豊田市教育委員会学校教育課指導主事小山幾子先生からは,「教育委員会との連携」についての事例紹介がありました。また,知立市立知立東小学校主幹教諭丹羽真由美先生からは「小学校との連携」,知立市内の保育園長の経験をもつ愛知学泉短期大学非常勤講師高木都奈子先生からは「幼稚園?保育園との連携」,学校法人HIRO学園教員丸井合先生からは「ブラジル人学校との連携」として各立場での事例紹介がありました。
多様な機関とのさまざまな連携のまとめとして,本学の日本語教育講座上田崇仁准教授から,「学生がボランティア経験によって学校現場の先生から学んだこと,大学で行われている研究を学生たちに還元し,学生たちがそこから何かを身につけ現場に戻っていくような循環を作るとともに,学生時代に少しでも地域社会の多文化化の知識をもってもらいたい。連携とは,『座学と実践の融合を容易にする活動』であると考えており,前向きに良い活動を行いたい」と話しました。
後半では,京都教育大学浜田麻里教授がコメンテイターとなり,本学学生の外国人児童生徒支援ボランティアの経験について,大学院1年の武藤理奈さん(小中学校個別支援),学部4年の佐合碧さん(知立東小学校マスマス教室における集団支援),萩原貴介さん(土曜親子日本語教室),道本佳那さん(幼稚園?保育園での活動)の発表がありました。浜田先生からは,多様な機関との連携に学ぶこととして,学生が学校現場へ行くことの意味や言語学習?異文化コミュニケーション,外国人児童生徒支援ボランティアによる地域とのかかわりについて話がありました。
その後,教育委員会,小学校,幼稚園?保育園,ブラジル人学校それぞれの立場に分かれてグループ別で意見交換が行われ,質問や活発な意見交換等が行われました。リソースルームスタッフが意見を取りまとめ,グループ発表が行われました。
参加された方々からは,「今後の外国人児童生徒支援に参考となった」「学校で役立てたい」という意見があり,外国人児童生徒支援を考えるとても有意義なシンポジウムとなりました。
(広報?地域連携課 地域連携係長 渡邊伸彦)