2016年11月9日 教育臨床カフェ第2弾「子ども同士のトラブルの解決!-法律の専門家に学ぶ-」を開催
2016年12月06日
我が国は現在インクルーシブ教育(排除しない教育)を推進しています。ただその実現までの道のりでは,学級内で多様な価値観が共存することから,ときにその違いからトラブルやいじめ等に発展してしまうことがあるかもしれません。未来の教師やスクールカウンセラーはこうした価値観の対立を調整するという新たな課題に臨まなければなりません。そこで,今回は法律の専門家から学級内での紛争解決のノウハウを学ぶための研修会を学生たちが企画立案しました。
11月9日(水)午後1時から本学教育交流館にて,「子ども同士のトラブルの解決!-法律の専門家に学ぶ-」を開催しました。講師は弁護士の原道也氏を招き,学生20人,教職員4人,医療関係者1人の計25人が参加しました。
はじめに,子ども同士のトラブルの実際やその発生原因の法的分析について,具体例を交えたわかりやすい説明がありました。証拠により事実の存否を決し,規範を定立してあてはめる等の「紛争解決の方式」や,情緒的な言語活動に,事実に評価を加える論理的な言語活動など「議論の手法」を学びました。次に,法教育ワークとして,アパート契約にかかる参加者にとって身近な事案の「模擬調停プログラム」に取り組みました。まず,3人1組のグループに分かれ,アパートの借り主と大家,調停員に扮し,それぞれの立場でトラブル解決に着手しました。一旦,借り主?大家?調停員同士で集まり,相互意見交換を行い,大いに盛り上がりました。その後,調停を再開,トラブル解決に取り組みました。参加者からは「何が譲れないところで何なら妥協できるかを考えることも大切」「来年から教師になります。事実を基にトラブルを解決していく術を知ることができてよかった」などの感想が寄せられました。
今後も教育と法律家との連携の可能性を模索しながら未来の教育の充実を目指していければと思っています。
(教育臨床学講座 准教授 三谷聖也)
(高度教員養成支援課 教育臨床係長 長谷川由香)