2024年2月14日 第3回スクールリーダー研修会を実施しました。
2024年02月26日
2月14日(水)に愛知教育大学教職キャリアセンター教員研修部門が主催する令和5年度第3回スクールリーダー研修会を実施しました。
この研修会はスクールリーダーシップに関する理論を活用して、その実践である学校マネジメントについての多面的な考察を加えることで、参加者が学校運営において必要となる見方や考え方を獲得し、それぞれの立場に応じたスクールリーダーシップの発揮に結びつけることを目的としています。
第3回研修会には県内学校の校長や教頭、指導主事など約60人が参加しました。
1講義目では、本学教職大学院の井上正英特別教授が、「そもそも校長のリーダーシップとは何だろう?」のタイトルで講義を行いました。
はじめに第1回スクールリーダー研修会の講義内容の復習をし、リーダーシップ理論について、歴史的に見て、どのように考え方や着目点が変化していったかを踏まえつつ説明しました。
また、PM理論(※)についての講義の中では、参加者がサイトを用いて自分がどのリーダーのタイプに分類されるかをテストし、自身を振り返りました。
※PM理論とは、リーダーに求められる行動を目標達成機能と集団維持機能に定義し、この2軸のマトリクスでリーダー行動を類型化した理論。
次に、一般的なリーダーシップ理論を踏まえて、校長のリーダーシップ論について、説明がありました。参加者は、昔の校長先生がどうだったか、過去を振り返りながら、学んでいきました。
最後に、校長の専門職基準、リーダーシップ育成にあたり5つの実態について説明しました。
2講義目では、伊藤辰寛さん(教職大学院 学校マネジメントコース 2年)が自身の研究内容について発表しました。
伊藤さんは、今までの多くの方との出会いや「学校マネジメントとリーダーシップ」の授業などを通じて、サーバント?リーダーシップに着目し、「スクールリーダーシップ形成要因―校長へのインタビューの分析から―」をテーマに研究を進めてきました。
はじめに、サーバント?リーダーシップの特徴などについて説明があり、続いて、自身の研究について述べました。2人の校長先生を対象にインタビューや他職員へ対象の校長先生に対するアンケートをし、得られたデータからサーバント?リーダーシップの10属性に当てはめていき、サーバント?リーダーシップの形成要因5つを導き出し、それらの経験を積み重ねていくことで、サーバント?リーダーシップを身に付けることができると述べました。発表後には、質疑応答が行われ、参加者からさまざまな質問や意見があがりました。
全2講義の実施後、参加者自身の過去の経験で特にミドルリーダー時代、それ以降の経験を振り返り、伊藤さんが研究結果として導いた5つのサーバント?リーダーシップの形成要因にかかわる経験や体験を発表しました。
参加者からは「自分が管理職だったらどのように判断するかを日々考えていた」や「自分には何ができるか考えていた」「自分だけができるのではなく、組織として誰でもできるものなのか考え、取り組んでいた」など多くの発言がありました。
研修会後のアンケートでは「リーダーシップ論について学ぶことができ、新たな知識を得ることができた」「リーダーシップについて再考する大きな機会となった」「リーダーシップ論という視点で日ごろを見直したときに、不足している部分を認識できた」「実際に生かしていきたい」などの感想が寄せられ、有意義な研修会となりました。
(地域連携課 講習支援係 山下湧生)