2023年9月2日 令和5年度第1回喫緊の教育課題を学ぶ会を開催しました。
2023年09月19日
9月2日(土)に愛知教育大学教職キャリアセンター教員研修部門が主催する「令和5年度第1回喫緊の教育課題を学ぶ会」を開催しました。この研修会はAIによる社会の変革期に必要なデジタルシティズンシップ教育の実践をテーマとして行われました。今年度初回となる今回の研修会には、県内の小学校教諭、中学校教諭をはじめ計27人が参加しました。冒頭では、磯部征尊教職キャリアセンター教員研修部門長が主催者あいさつおよび本研修会の趣旨について説明を行いました。
主催者あいさつに続いて、第1部では、金沢学院大学教育学部の向田識弘先生から情報モラル教育とデジタルシティズンシップ教育の違いについて、車のブレーキとハンドル?アクセルに例えられること、個人に向かうものと社会に向かうものの違い、デジタルシティズンシップは考えさせる教育であることなどを解説いただきました。また、学校で行うデジタルシティズンシップ教育としてインターネットと付き合うことを前提とした指導法をご提案いただきました。①子どもが問うなどの問題意識を高める流れを考える。②「小さな失敗」を疑似体験させ、その場面での行動を考えさせる。③インターネットや技術の仕組みを説明し、光と影があることを気づかせることがポイントであるとご指摘いただきました。インターネットは、はさみと違って、大人が正しい使い方を教わっておらず、大人も子どもも同じレベルともいえるので、一方的な指導では不十分であると解説されました。
第2部として、学校法人大阪初芝学園はつしば学園小学校の平林千恵先生から、小学校で実践された授業を、模擬授業として参加者向けにご紹介いただきました。「MY行動宣言!ネットと上手に付き合うために」をテーマに、子どもたちに「どんな場面でインターネットを利用しているか」「インターネット利用のデメリットは何か」SNSの投稿を見せて「そこから分かる事は何か」などを問いかけて、子どもたちに考えさせる授業をご紹介いただき、自分ごととして考えさせることが大切であるとご教示いただきました。また、単元の最後では「My行動宣言」として、「私は○○について気をつけたい」という漠然としたことではなく「私は○○します」のように、自分たちが何を実践していくかを明確に宣言させ、行動変容させていく実践をご報告いただきました。
第3部として、金沢学院大学教育学部の向田識弘先生から平林千恵先生の模擬授業に関する解説をしていただきました。また、子どもが書いた読書感想文とAIが書いた読書感想文を見極める課題を参加者に提示いただきました。参加者の意見が分かれたため、正解発表の時には大きな歓声が上がりました。最後に、インターネット検索エンジンと生成系AIの違いの解説、生成系AIの特徴として目的などを入れてコントロールできること、生成系AIは内容の正しさを検証しないことなどが解説されました。「これからの教員に必要な考え方や力は何か」と参加者に投げかけられた問いは、教員に必要な力が時代とともに変化していくものであることを改めて感じさせられるものでした。
次回の研修会は、「個別最適な学びと協働的な学び」をテーマに10月20日(金)の開催を予定しています。
(教職キャリアセンター 教員研修部門 黒川雅幸)