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2023年8月9日 令和5年度第1回スクールリーダー研修会を実施

2023年08月28日

sdgs17

8月9日(水)に愛知教育大学教職キャリアセンター教員研修部門が主催する令和5年度第1回スクールリーダー研修会を実施しました。この研修会はスクールリーダーシップに関する理論を活用して、その実践である学校マネジメントについての多面的な考察を加えることで、参加者が学校運営において必要となる見方や考え方を獲得し、それぞれの立場に応じたスクールリーダーシップの発揮に結びつけることを目的としています。今年度の初回となる今回の研修会には、県内の学校の校長、教頭、指導主事および本学教職大学院生等の37人が参加しました。

冒頭では、本学の杉浦慶一郎連携?附属担当理事が主催者あいさつを行いました。杉浦理事は、自らの高等学校の校長の経験を踏まえて「振り返ると何も知らないまま校長になったと感じる。一方、本学には研修を行える大学教員が大勢いる。皆さんにはいろいろなことを知って学校現場で生かしていただきたいと研修を作り上げてきた」と研修の趣旨を述べました。

井上正英特別教授井上正英特別教授

主催者あいさつに続いて、第1講義目として本学教職大学院の井上正英特別教授が「校長のリーダーシップ発揮における現状と課題」と題する講義を行いました。井上特別教授は、国の方針等において校長はリーダーシップの発揮を求められているにもかかわらず、リーダーシップの定義は明確でなく、多くが論理を学ばず経験値だけで職務を行っているという課題提起を行いました。P.F.ドラッガーによるリーダーシップの定義にふれた後、OECDの国際調査や国立教育政策研究所、教職員支援機構による国内調査の結果を紹介しながら、日本における校長を取り巻く状況や実態について説明しました。日本の校長は他国に比して、高齢で管理職としての勤務年数が少なく、修士号を持つ割合が低いこと、もう一度教員になりたいと思う割合が低く満足度が低いこと等の状況が示されました。

第2講義目は、リーダーシップ実践の実例として、教職大学院の三浦昌道教授と成毛理子教授からそれぞれの事例が発表されました。三浦教授は「海外に出て学んだリーダーシップ」と題して、シドニーの日本人学校での校長経験における緊急時の判断や学校の顔としての役割の事例を紹介し、成毛教授は「災害の対応を考える」と題して、現職時代に防災に関わった経験とその後の本学の教職大学院での学びに基づき防災体制の在り方について考察を行いました。

三浦昌道教授三浦昌道教授

成毛理子教授成毛理子教授

ディスカッションする参加者ディスカッションする参加者

理論の講義、2つの実践事例紹介を熱心に聞き入っていた参加者は、第3講義目として井上特別教授による進行のもとグループディスカッションを行いました。近くの座席の2人から3人が一グループとなり、「校長のリーダーシップの習得?発揮を阻むものとは何だろう?」というテーマで自らの経験をもとに話し合いました。参加者はそれぞれのグループで実体験に基づきお互いに活発な議論を行い、その後議論の結果を発表しました。井上特別教授は発表を聞いて、校長の意欲低下、自己効力感阻害の要因として「組織」「行政」「キャリア」「研修」「コロナ」の5つの要因に大別できるとまとめを行いました。

研修会の様子研修会の様子

今回の研修会は、参加者であるスクールリーダー達が培ってきた経験が理論と融合する有意義なものとなりました。リーダーシップ論については、2024年2月14日(水)に開催される第3回スクールリーダー研修会で、さらに深く掘り下げられる予定です。次の研修会での学びに期待が高まります。

(地域連携課長 古田紀子)

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