2022年4月27日 「第5回指導者用?学習用デジタル教科書研修会」を開催
2022年05月31日
4月27日(水)に、本部棟第一会議室にて、教職キャリアセンターICT活用等普及推進統括部門主催の「第5回指導者用?学習者用デジタル教科書研修会 『啓林館?算数数学』」を株式会社新興出版社啓林館との共催で開催し、16人(学生7人、教職員9人)が参加しました。
今回の研修会は、本学と新興出版社啓林館との間で締結された相互連携に関する協定に基づいて開催したもので、デジタル教科書の特性や意義等についてより深く学ぶために、新興出版社啓林館の大阪本社と東海支社の3人の講師により、デジタル教科書の演示や、参加者が持参したノート型パソコンを使用したデジタル教科書等の体験を行いました。また、研修会の冒頭では、本年度本学に就任した中川哲客員教授による講演「Society5.0変化の時代 GIGAスクールにおける学び」を行いました。
講演では、中川客員教授から、デジタル教科書が採用される前段階としてのGIGAスクールの導入の背景について説明があり、これからの子どもたちが生きる力を発揮する社会について理解するために、Society5.0の時代を時系列で学びました。また、文部科学省でGIGAスクールの立ち上げに携わられ、いろいろな学校を視察された経験から、GIGAスクールを実践事例として個別最適の学びと協働的学びを行っている授業の紹介がありました。
研修会の第一部では、新興出版社啓林館 愛知県担当の山﨑友貴氏による講義が行われました。GIGAスクール構想や文科省の学習者用デジタル教科書普及促進事業に代表されるICT化の流れについてお話があり、その後、実際にデジタル教科書(小学校算数)の体験版を操作しながら、デジタル教科書の有用性について学びました。今後のデジタル教科書の活用目標である、指導者用?学習者用デジタル教科書を連携させた協働学習について説明があり、協働学習に関連して授業支援ソフトとデジタル教科書の連携における状況や著作権などの課題について、参加者と意見交換を行いました。
第二部では、新興出版社啓林館 第7教育推進部の柳田博史氏による講義が行われました。特別支援学級在籍者数や通級による指導を受けている児童生徒数の推移や現在の個別最適化学習の動向について説明があり、その後、デジタル教科書以外の個別最適化に対応した「スマートレクチャー」と「マルチリンガル教科書」の2つのICT教材の紹介がありました。「スマートレクチャー」の体験では、参加者各自で解説動画を視聴したのちに、個別最適化の個別学習のツールとして活用事例を学びました。「マルチリンガル教科書」は多言語に対応した読み上げ機能があり、その活用方法について学びました。
最後に、総括として教職キャリアセンター副センター長?数学教育講座の飯島康之教授が、「紹介いただいた動画のコンテンツを含めたいろいろな形があり、1人1台端末によって学びの設計がいろいろできる。教科書は標準を求めるものではあるが、デジタル化によって標準以外の部分を工夫できる時代にようやくなったと思う」と述べました。
研修会終了後のアンケートでは、参加者から「現代社会や教育界の課題と併せてデジタル教科書の特徴を知ることができ、参加できて良かった」、「これまでどちらかというと、デジタル教科書の積極的活用には消極的だったが、デジタル教科書を実際に使ってその便利さを知り、上手に活用していきたいと感じた」という感想が寄せられ、体験型研修会の有効性が現れた結果となりました。
(教務企画課 教育高度化支援係)