2022年2月2日 「第2回デジタル教科書研修会」を開催
2022年02月21日
2月2日(水)に、次世代教育イノベーション棟にて「教師の養成、採用、研修に関する一体的改革推進事業」の一環として「第2回デジタル教科書研修会」を株式会社帝国書院との共催で開催し、27人(学生13人、教職員14人)が参加しました。
今回の研修会は、本学と株式会社帝国書院との間で締結された包括連携協定に基づいて開催したもので、デジタル教科書の特性や意義等についてより深く学ぶために、講師に株式会社帝国書院から資料編集部調査役補の岡本龍治氏と、ICT開発推進室、研究室部長の大矢雅史氏をお招きし、デジタル教科書の演示や、参加者が持参したノート型パソコンを使用したデジタル地図帳の体験を行いました。
総務?財務担当の新津勝二理事による進行の下、はじめに、岡本氏から小学校のデジタル地図帳の体験版を使用して、地図の拡大?縮小や地図上で距離を測る方法、地図上に必要な情報を足したり引いたりできるレイヤー機能等について説明がありました。レイヤー機能により、教員はそのクラスの理解度に合わせてどれだけの情報を地図上に載せて授業をするかといったカスタマイズが可能になり、参加者は授業での活用方法をイメージしながら実際に操作体験を行いました。このほか、特別支援教育対応の地図や、2つの地点を比較した雨温図を活用した実践例等に加え、「都道府県クイズ」、「デジタル地球儀」、プログラミング教育に対応した「プログラマップ」等のユニークな収録コンテンツの紹介があり、参加者は楽しみながら操作を体験しました。
続いて、大矢氏から、今回の学習指導要領において、高等学校で「総合的な探究の時間」が新たに単位数を備えて設置されたことや、内閣府が作成した地域を分析できる地理情報システム「RESAS(リーサス)」が学習指導要領解説に入れられたことで、このような地理情報システムの利活用を高校生に体験させるなど、地方創生を念頭においた探究型学習について、社会科において意識する必要が出てきていることが示されました。また、社会科で期待されるICT活用は、国内外のデータを加工して可視化したり、地図情報に統合したりして深く分析することであり、各自で収集したデータや地図を重ね合わせて情報を読み取る、分析した情報をプレゼンソフトで分かりやすく加工して発表するなど、1人1台端末を前提にした活用が重要であることが述べられました。さらに、情報活用能力を育成する上で地図に関する技能は非常に大切であり、いろいろなことを地図でまとめてグラフやさまざまなビッグデータを用いて可視化分析できるようになること、データを加工してプレゼンで提示できる技能を育てていけば、まさに地域や社会を牽引できる人材を育てるということにつながっていくことなどについて説明がありました。
最後に、社会科教育講座の土屋武志教授から研修会の総括が行われ、「地図帳はどんな人も興味が持てるものであり、これから学校でデジタル地図帳を積極的に活用していくという流れができたら、子どもたちにとっても主体的な学びを引き出せます。地図帳がデジタル化されていく中でどう活用できるかということについて、今日は非常にいいヒントを得ました」と述べました。
研修会終了後のアンケートでは、参加者から「地図のレイヤー機能は、とても使いやすいと感じました。学校で配布されている地図は情報量が多いので、読み取りが難しいと感じ、より簡素な形で地図が表せられる点が面白かったです」「図を移動させたり、測ったりできるので、知りたいことがすぐに分かり、子どもたちも自分で問題を見つけて、取り組めると感じました」「もっと教員や学生が関心を高めてくれることが必要だとも感じました」という感想が多く述べられ、体験型研修会の有効性が現れた結果となりました。
(教務企画課 教職キャリアセンター支援係)