2021年12月22日 全学FD講演会「指導者用?学習者用デジタル教科書研修会」を開催
2022年01月06日
2021年12月22日(水)、次世代教育イノベーション棟にて「教師の養成、採用、研修に関する一体的改革推進事業」の一環として「指導者用?学習者用デジタル教科書研修会」を東京書籍株式会社との共催で開催し、58人(学生35人、教職員23人)が参加しました。
今回の研修会は、本学と東京書籍株式会社との間で締結された包括連携協定に基づいて開催したもので、デジタル教科書の特性や意義等についてより深く学ぶために、講師に東京書籍株式会社教育文化局顧問 川瀬徹氏と、中部支社第一営業部課長 森明広氏をお招きし、デジタル教科書の演示や、GIGAスクール構想の現状と現場でのデジタル化対応について講演をしていただきました。
はじめに、総務?財務担当の新津勝二理事から「教科書制度の概要」についての説明が行われ、廉価に抑えられている教科書定価の中には供給する(仕分けして学校まで届ける)経費も含まれていること、自然災害等で教科書を無くした子どもたちのために教科書会社の職員が被災地まで無償で届けていただいていることなど、普段あまり知られていないエピソードの紹介がありました。
続いて川瀬氏より、GIGAスクール構想の現状と現場でのデジタル化対応について講演が行われ、当初"1人1台端末"の実現を数年間かけて目指すということから始まった「GIGAスクール構想」は、コロナ禍の影響で急速に進んでいきハード面(端末)の整備がほぼ整ったこと。続いてソフト面(デジタル教科書等)の整備が始まり、学習者用デジタル教科書の実証研究が進められていることやデジタル教科書の普及の理由などについての説明がありました。
次に、森氏よりデジタル教科書について詳しい紹介がありました。指導者用デジタル教科書と学習者用デジタル教科書の違いについて説明があった後、小学校英語のデジタル教科書を使ったモデル映像の上映と、実際の音声や画面操作の説明があり、加えて1月中旬から本学附属図書館の『東京書籍 Edu Studio』内に、「デジタル教科書体験コーナー」が開設されることについて発表がありました。
さらに、川瀬氏よりデジタル教科書の実践例として、デジタル教科書を活用している授業の様子と、指導者用と学習者用を効果的に併用している教員へのインタビュー映像の紹介があり、その後、参加者との間でたくさんの質疑応答が行われました。
最後に、外国語教育講座の建内高昭教授から研修会の総括が行われ、英語はデジタル教科書との親和性が高い教科であり効果的に使いこなすことが重要であることや、教育データの利活用が進むと指導者側の履歴が残ることも考えなければならないことなど今後の課題が提議されました。
研修後のアンケートでは、「事例として小学校や中学校での実践を動画でも見ることができ、デジタル教科書のメリットなどさまざまなことを知ることができた」「これから学校現場で働く立場として、デジタル教科書の可能性をとても感じ、それを最大限に活用できるような教師になりたいと思いました」といった意見が見られ、これからデジタル教科書を使って授業を行っていく未来の教員にとってとても貴重な機会となりました。
(教務企画課 教職キャリアセンター支援係 吉田穂波)