2020年1月11日 平成31年度「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業」成果報告会を開催
2020年02月07日
1月11日(土),本部棟第一会議室において,「通常学級における学習上の困難さに着目した教科指導のあり方~発達障害の可能性のある児童生徒等に学ぶ」と題し,文部科学省受託「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業」成果報告会を開催しました。県内教育委員会?教育センター関係者,県内小中学校教員,本学学生?教職員等252人が参加しました。
成果報告会では,「通常の学級における学習につまずきのある子どもの理解と支援―多層指導モデルMIMを通して―」をテーマに,国立特別支援教育総合研究所 研究企画部 主任研究員 海津亜希子先生より講演いただきました。多層指導モデルMIM(通常の学級において,異なる学力層の子どもの学びを支えていこうとする学習指導モデル)における指導やその効果などについて,MIMを取り入れている全国の小中学校での取組事例を交えてお話がありました。また,読みのつまずきが多いといわれる特殊音節(促音,長音,拗音,拗長音など)の指導に焦点を当てて取り組んだ小中学校での指導の様子や方法?成果が,実際の映像やグラフなどを用いて紹介されました。
事業の経過報告として,教職キャリアセンター教科教育学研究部門の山田篤史部門代表(数学教育講座 教授)および青山和裕准教授(数学教育講座)から,2018~2019年度受託「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業」全体について,また,算数?数学科の事例について,それぞれ報告がありました。
山田部門代表からは,初めに,昨年度本事業で作成したパンフレット教材を基に行った教科教育法の授業での効果について説明がありました。続いて,その効果に基づき,今年度作成した改訂版パンフレットについて,前半では総論として発達障害の特性,指導上の工夫を行うポイントが,後半では各教科(国語,社会,算数?数学,理科,保健体育)における学習上の困難さや指導例やICT機器を活用した支援事例を掲載していることなど,その構成や特徴が紹介されました。
青山准教授からは,教科教育法の授業の内容について,算数?数学科においてつまずきを抱える児童生徒への学習支援のポイントや具体例などを交えながら報告がありました。
成果報告会終了後も多くの質疑や意見が寄せられました。会全体を通して,通常学級においてさまざまな子どものニーズに対して指導?支援していくことの重要性を参加者が改めて考える機会となりました。
(「発達障害の可能性のある児童生徒等に対する教科指導法研究事業」)
(企画課 教育企画室 教育企画係)