2019年11月27日 第18回AUEアカデミックカフェを開催
2019年12月24日
教育未来館の多目的ホールの床おかれた謎の石板。そこに金属棒を落とすと「キーン,コーン,カーン...」。11月27日(水),第18回のAUEアカデミックカフェ「理科の先生になるために...大学の理科教育って?...」は風変わりなチャイムで始まりました。
講師である理科教育講座 戸倉則正特別准教授は京都の公立高校の教員を35年務めた後,本学の教員となった異色の経歴の持ち主です。多様な生徒がいる公立高校。教員になって数年経ったある日,自分の授業をつまらなそうに聞いている生徒がいることに初めて気付きました。それまではそれに気付く余裕もなかったのでしたが,それからはそういった生徒をどうすれば引きつけられるかを追究してきました。今回のアカデミックカフェではその一端が披露されるということで,多目的ホールには実験器具がずらりと並びました。
最初は火を使った実験です。液化ブタンガスをいれた試験管に細いガラス管を挿し,先端に火をつけたらどうなるか?その試験管をにぎったら炎はどうなるか?水素を充満した底のないペットボトルにガラス管を挿して火をつけたらどうなるか?戸倉特別准教授はクイズ形式で参加者に考えさせ,体験させながら次々と実験を進めました。水素入りのペットボトルに火をつける実験では,はじめは穏やかに燃えていた水素が最後にボンと爆発。「2H2+O2→2H2Oというのを習ったかと思いますが,体積比がこうなると一気に反応が進みます」と戸倉特別准教授。参加者に水素と酸素の反応がしっかりと印象づけられました。
続いて,電気を通すものと通さないものの実験が行われました。これは小学3年生で習うテーマですが,ある県の小学5年生の学力テスト(2013年)で,非常に正答率が低かった問題でもあります。テスターを首にかけ,次々とどういったものが電気を通すかを試します。1円玉,5円玉...。「お金は通すんですね。これはどうでしょう」と取り出したのは,千円札。テスターにつけるとなんと!電気を通したことを示すブザーが鳴り,参加者が驚いた瞬間,裏にアルミホイルを隠していたことを種明かしです。「インチキしよったなあって,展開を工夫すれば印象に残るでしょ」
面白いモノを見つけては,これがあの単元に使えるな,と集めた実験道具は段ボールで200箱にものぼるそうです。ひょうひょうとした関西弁と次々と繰り出される面白い実験に,参加者からは「理科は嫌いでしたが楽しい授業でした」「現場に即した内容で気楽に聞けました」「実験の予想をするのが楽しかったです」との感想が聞かれました。また,講演の最後には,戸倉特別准教授の特技「〇〇を吹く」も披露されました。「〇〇」が何かは,ぜひ,またの機会に皆さんご自身でご確認くださいね!!
(広報?地域連携課 副課長 古田紀子)