2019年1月30日 男女共同参画委員会主催によるFD講演会「性的マイノリティについて考える-学校における理解の促進と受け入れのために-」を開催しました。
2019年03月12日
1月30日(水)に,第二共通棟431号室において,愛知教育大学男女共同参画委員会主催によるFD講演会「性的マイノリティについて考える-学校における理解の促進と受け入れのために-」を開催し,教職員,学生,学外関係者ら112人が参加しました。
本委員会は,本学における男女共同参画の推進に必要な啓発活動やジェンダーに関する教育研究の推進に関することを所掌しており,男女共同参画推進オフィスのスタッフと連携?協力して,さまざまな推進活動を実施しています。今回は,学校現場においても理解の促進ときめ細かな対応,誤解や偏見と差別の解消が喫緊の課題となっている性的少数者への対応に関し,講演会の参加者がジェンダー教育の推進のために役立つ具体的な情報を得て,学校現場の課題や今後の方向性について理解を深めることを目的として,講演会を行うこととしました。
講師には本学の卒業生でNPO法人ASTA所属の浦田幸奈先生と,お茶の水女子大学理事?副学長の三浦徹先生をお招きし,講演を行っていただきました。
講演会は男女共同参画委員会委員長である上口孝之理事のあいさつから始まり,講演1「誰もが自分らしく生きられる社会をつくるために~学校?学級における性的マイノリティとの共生~」として,浦田幸奈先生から,当事者や家族の声について講演していただきました。近くにいる人との自己紹介から始まり,浦田先生のユーモアに時折笑いが起きる和やかな雰囲気の中,LGBTにまつわる名称などの基本的な知識に続き,浦田先生自身の幼少時代から現在までの体験談を紹介していただきました。途中では,当事者の母親のお話も聞くことができ,貴重な機会となりました。誰もが自分らしく生きられる社会をつくるためには,性的マイノリティが,1人ひとりの違いの一つとして理解され,一緒に何ができるのかを考えて横に寄り添うことであるということを知ることができました。
次に講演2「女子大学におけるトランスジェンダー学生の受け入れについて」として,三浦徹先生から,日本の女子大学で初めてトランスジェンダーの受入れを発表したお茶の水女子大学の受入れの経緯について講演していただきました。お茶の水女子大学のミッション「学ぶ意欲のあるすべての女性にとって,真摯な夢の実現の場として存在する」に基づき,2020年度からのトランスジェンダー学生の受け入れを決定されました。「自然な流れ」として受け入れを決定した大学に対し,メディアや在学生,保護者への説明の際には,反発されることも予想しましたが,予想に反してポジティブに捉えてもらえたことや,受け入れるにあたっての出願から入学後の大学の対応などのプロセスについて紹介していただきました。三浦先生は,大事なことは「多様性」というゴールに向かって「対話」によって理解を深めていくことであるとまとめられました。
参加者からは「教師となったときに,横に立ちともに考え寄り添う姿勢を忘れないようにしたい」「一人でも多くの子どもが自分らしく生きていけるように,自分らしく仲間を支える子どもを育てていける教師になりたい」という意見が聞け,有意義な講演会となりました。男女共同参画委員会では,今後もこのような活動や取組みをすすめることによって,男女共同参画社会の実現につなげていきたいと思います。
(人事労務課 労務?福祉係 岡田智子)