2018年12月9日 「大学?附属学校共同研究会:大学?附属学校園共同研究の課題と可能性」をウインクあいちで開催
2019年01月07日
12月9日(日)に,ウインクあいち1201中会議室において,大学?附属学校共同研究の今後の方向性を探るため,「大学?附属学校園共同研究の課題と可能性」と銘打った研究会を,教職キャリアセンター 教科教育学研究部門主催で開催しました。参加者は本学附属学校園教職員,公立学校教員,本学教職員?学生,一般参加を含め,合計80人になりました。
研究会は二部構成で,第一部では4人の登壇者によるシンポジウム,第二部ではワークショップ形式による大学?附属共同研究体制についての課題と解決策の検討,というスタイルを取りました。
第一部では,橋本浩司先生(附属名古屋小学校研究部長),鈴木佳樹先生(附属岡崎中学校副校長),本田敏倫先生(豊明市立沓掛中学校教諭),真島聖子先生(愛知教育大学准教授)の4人の先生が登壇しました。両附属の先生からは,働き方改革による研究時間の減少に伴う,新しい研究会のスタイルを含め,それぞれの附属の研究に対する考え方と新しい取り組みが紹介されました。新しい取り組みに関しては,附属名古屋小の公立学校の先生を交えた学習会の頻繁な開催,附属岡崎中の公募制による附属岡崎中?研究協力員の募集など,いずれも興味深いものでした。一方,本田先生からは,公立学校が抱える課題に加えて,アンケート調査に基づく附属学校園の研究や授業に対する公立学校教員の要望の紹介があり,「教材研究や喫緊の課題を解決する一助となる授業研究」ならびに「実践のみならず小中学校では手が行き届かない理論を含めた提示」が大きな要望として提示されました。また,真島先生からは,附属学校園にかかわって大学教員として自問すべき3つの問いの提示から始まり,グッドプラクティスとして選出された大分大学教育学部附属学校園と島根大学教育学部附属学校園の取り組み,さらには,近県の岐阜?長良東小学校や岐阜大学教育学部附属学校園の取り組みが紹介されました。時間の関係で4人での討論やフロアとの議論にまでは至りませんでしたが,各地区の附属学校園の研究をめぐる現状と公立学校からの要望,さらには全国の附属学校園での取り組みに関して,総合的な情報を得る,よい機会となりました。
第二部では,教科毎のまとまりを中心とした8つのグループを作り,大学?附属学校園共同研究に関する新たな方向性を探るべく,ワークショップ形式によるディスカッションを行いました。課題の洗い出しから始まり,課題のグループ化,グループ化された課題群の選択とそれに対する(直近での実現可能性を想定しないものも交えた)解決案の提示,グループ毎の議論(課題と解決案のペア)の発表を行いました。大学?附属の行き来の難しさから来る両者の交流の難しさを課題として挙げるグループは多く,それに対して,大学附属間の定期運行バスや大学教員が1日附属に出向くことができる時間割の工夫など,さまざまな案が提示されました。また,いきなり附属教員になって研究を担うことの重圧を課題として挙げたグループには,附属学校教員は大学院?教職大学院修了者から選んではどうかという具体的な改善案が提示されました。
この種の試みは初めてでしたが,大学?附属共同研究に関する課題の洗い出しや今後の方向性を考えるよい機会となりました。
(教職キャリアセンター?教科教育学研究部門 数学教育講座 教授 山田篤史)
(企画課 教育企画室教育企画係)