国立大学法人愛知教育大学の平成21年度決算について
2010年6月30日
はじめに
この度、平成21 年度決算にかかる国立大学法人愛知教育大学の財務諸表等について、平成22 年6 月30 日付けで文部科学大臣により承認されましたのでここに公表いたします。
この財務諸表は、企業会計原則に基づきつつ、教育研究を主たる業務とする大学の特性を踏まえ、国立大学法人特有の会計処理を加味した「国立大学法人会計基準」により作成されております。平成21 年度は、263 百万円の剰余金(当期総利益)が生じていますが、この剰余金(当期総利益)は、「利益の処分に関する書類」に基づき、文部科学大臣の承認を受け、積立金残高における運営費交付金国庫納付額(255 百万円)と当期未処分利益相当額(8 百万円)が内訳です。第一期中期目標期間を終了し、本学は、なお一層の業務の効果的?効率的運営を目指すとともに、外部資金の獲得等に努力し、広く社会の要請に応え、中期目標の達成に向けて努力していく所存です。以下に財務諸表の概要を示します。
財務諸表の概要
1. 貸借対照表とは、本学の財政状態を明らかにするため、決算日におけるすべての資産、負債及び資本を記載したものです。
2. 損益計算書とは、本学の運営状況を明らかにするため、一会計期間における本学のすべての費用と収益とを記載したものです。
3. キャッシュ?フロー計算書とは、本学における資金の調達や運用状況を明らかにするため一会計期間の資金の流れを3つの区分に分けて開示したものです。
4. 利益の処分に関する書類は、毎事業年度の損益計算において生じた利益を、翌事業年度にどのように引継ぐかを記載したものです。
5. 国立大学法人等業務実施コスト計算書とは、自己収入等を除き、本学の業務運営に関して国民が負担するコストを明示したものです。
平成21年度財務諸表の特徴
資産
資産の総額は、49,121百万円(対前年比0.3%減)となっており、主な増減の要因は、固定資産が建物の改修工事等による増加と、減価償却費による減少により差引0.8%増の47,568百万円。流動資産が有価証券の減少、執行額の増加に伴う減少により25.7%減の1,553百万円となっています。
負債
負債の総額は、4,880百万円(対前年比0.1%減)となっており、主な増減の要因は、固定負債が資産取得による資産見返負債等の増加と長期リース債務の減少により10.2%増の3,255百万円。流動負債が寄附金獲得額増加と未執行額増加による寄附金債務の増加、運営費交付金債務の臨時利益への振り替えによる減少、授業料前受金の減少、未払金の減少、などにより15.9%減の1,625百万円となっています。
純資産
純資産の総額は、44,240百万円(対前年比0.4%減)となっており、主な増減の要因は、資本剰余金が施設整備のための国からの財源措置を資本剰余金とすること等による増加と、減価に対応する収益の獲得が予定されない資産の減価償却費を損益外処理とするための減少により差引75百万円増の220百万円、利益剰余金が目的積立金の計画的執行などにより41.6%減の326百万円となっています。
費用
経常費用の総額は、8,178百万円(対前年比1.7%増)となっており、主な増減の要因は、人件費を除く経常費用が、目的積立金や繰越予算の計画的執行による増加などにより11.1%増の1,986百万円、人件費が賞与の減少や地域手当の増加などで差引1.0%減の6,191百万円となっています。
収益
経常収益の総額は、8,019百万円(対前年比0.7%減)となっており、主な増減の要因は、運営費交付金収益が効率化係数による減、退職者減少による収益額の減及び特別教育研究経費獲得額増加による増などにより差引0.5%増の5,179百万円、寄附金収益が獲得額の増加による収益額の増加により102.4%増の42百万円、補助金等収益が獲得額の増加による収益額の増加により44.8%増の33百万円、雑益が間接経費の獲得額増加などにより13.9%増の83百万円、資産見返負債戻入が減価償却費増加?不明図書の除却により131.9%増の104百万円、施設費収益が交付額の減少による収益額の減少により84.9%減の29百万円、受託研究等収益が獲得額の減少による収益額の減少により40.2%減の19百万円などとなっています。
当期総利益
以上による理由と目的積立金取崩額、国立大学法人会計基準第77 第3 項の規定に基づき運営費交付金債務の残高を全額臨時利益へ振り替えたことにより、当期総利益は263 百万円となっています。
愛知教育大学理事(総務担当)
折出 健二