国立大学法人愛知教育大学の平成19年度決算について
2008年9月10日
はじめに
この度、平成19年度決算にかかる国立大学法人愛知教育大学の財務諸表等について、平成20年9月10日付けで文部科学大臣により承認されましたのでここに公表いたします。
この財務諸表は、企業会計原則に基づきつつ、教育研究を主たる業務とする大学の特性を踏まえ、国立大学法人特有の会計処理を加味した「国立大学法人会計基準」により作成されております。平成19年度は、368百万円の剰余金(当期総利益)が生じていますが、この剰余金(当期総利益)は、「利益の処分に関する書類」に基づき、目的積立金として、文部科学大臣の承認を受け、平成20年度以降に目的に沿って使用することが可能となるものです。本学は、一層の業務の効果的?効率的運営を目指すとともに、外部資金の獲得等に努力し、広く社会の要請に応え、中期目標の達成に向けて努力していく所存です。以下に財務諸表の概要を示します。
財務諸表の概要
- 貸借対照表とは、本学の財政状態を明らかにするため、決算日におけるすべての資産、負債及び資本を記載したものです。
- 損益計算書とは、本学の運営状況を明らかにするため、一会計期間における本学のすべての費用と収益とを記載したものです。
- キャッシュ?フロー計算書とは、本学における資金の調達や運用状況を明らかにするため一会計期間の資金の流れを3つの区分に分けて開示したものです。
- 利益の処分に関する書類は、毎事業年度の損益計算において生じた利益を、翌事業年度にどのように引継ぐかを記載したものです。
- 国立大学法人等業務実施コスト計算書とは、自己収入等を除き、本学の業務運営に関して国民が負担するコストを明示したものです。
平成19年度財務諸表の特徴
資産
資産の総額は、48,494百万円(対前年比1.7%増)となっており、主な増減の要因は、固定資産が建物の耐震補強等による増加、工具器具備品のリース機器の更新による増加と、減価償却費による減少により差引1.4%増の46,543百万円。流動資産が短期資産運用による大口定期預金の増加等により10.3%増の1,950百万円となっています。
負債
負債の総額は、4,349百万円(対前年比8.7%増)となっており、主な増減の要因は?固定負債が資産見返負債等の増加と長期リース債務の増加により15.6%増の2,832百万円。流動負債が未使用額増加に伴う運営費交付金債務の増加と、退職者の減少に伴う退職金の未払金等の減少により差引2.1%減の1,517百万円となっています。
純資産
資本の総額は、44,145百万円(対前年比1.1%増)となっており、主な増減の要因は、資本剰余金が施設整備のための国からの財源措置を資本剰余金とすること等による増加と、減価に対応する収益の獲得が予定されない資産の減価償却費を損益外処理とするための減少により差引40.5%増の△387百万円、利益剰余金が目的積立金等により30.7%増の838百万円となっています。
費用
経常費用の総額は、7,844百万円(対前年比0.3%増)となっており、主な増減の要因は、人件費を除く経常費用が、施設整備費等の増加による修繕費の増加、図書の除却による増加、受託研究の増加、受託事業の減少による差引21.3%増の1,719百万円、人件費が欠員不補充や退職者の減少による退職金の減などで4.3%減の6,125百万円となっています。
収益
経常収益の総額は、8,142百万円(対前年比0.1%増)となっており、主な増減の要因は、運営費交付金収益が特別教育研究経費獲得額増加による増と効率化係数による減、特殊要因経費獲得額減少による減及び退職者減少による収益額の減等により差引3.4%減の5,125百万円、授業料収益が資産取得増加による収益額の減少等により3.6%減の2,117百万円、施設費収益が交付額増加による収益額の増加により227%増の260百万円、受託研究等収益が受託研究の増加による収益額の増加により、181%増の28百万円、雑益が、間接経費の獲得額増加により42%増の63百万円、受託事業等収益が、受託事業の減少による収益額の減少により53.2%減の19百万円などとなっています。
当期総利益
以上による理由と目的積立金取崩により、当期総利益は368百万円となっています。
総評
この財務諸表によれば、本学の経常収益合計は8,142百万円(対前年比5百万円増)、経常費用合計は7,844百万円(対前年比21百万円増)となっており、差し引き当期経常利益は298百万円となっています。この原因は、昨年度に引き続き、本学では厳しく業務を見直し、その効率化を図り、管理経費を節約(光熱水費や通信費など)したことにより生じたものです。
愛知教育大学理事(総務担当)
折出健二