国立大学法人愛知教育大学の平成18年度決算について

2007年9月11日

はじめに

この度、平成18年度決算にかかる国立大学法人愛知教育大学の財務諸表等について、文部科学大臣により承認されましたのでここに公表いたします。

この財務諸表は、企業会計原則に基づきつつ、教育研究を主たる業務とする大学の特性を踏まえ、国立大学法人特有の会計処理を加味した「国立大学法人会計基準」により作成されております。平成18年度は、364百万円の剰余金（当期総利益）が生じていますが、この剰余金（当期総利益）は、「利益の処分に関する書類」に基づき、目的積立金として、文部科学大臣の承認を受け、平成19年度以降に目的に沿って使用することが可能となるものです。本学は、一層の業務の効果的?効率的運営を目指すとともに、外部資金の獲得等に努力し、広く社会の要請に応え、中期目標の達成に向けて努力していく所存です。以下に財務諸表の概要を示します。

財務諸表の概要

1. 貸借対照表とは、本学の財政状態を明らかにするため、決算日におけるすべての資産、負債及び資本を記載したものです。
2. 損益計算書とは、本学の運営状況を明らかにするため、一会計期間における本学のすべての費用と収益とを記載したものです。
3. キャッシュ?フロー計算書とは、本学における資金の調達や運用状況を明らかにするため一会計期間の資金の流れを3つの区分に分けて開示したものです。
4. 利益の処分に関する書類は、毎事業年度の損益計算において生じた利益を、翌事業年度にどのように引継ぐかを記載したものです。
5. 国立大学法人等業務実施コスト計算書とは、自己収入等を除き、本学の業務運営に関して国民が負担するコストを明示したものです。

平成18年度財務諸表の特徴

資産

資産総額は、47,685百万円（対前年比0.7％増）です。内訳は、固定資産が建物の耐震補強等による増加と減価償却等による減少により、差引0.4％減の45,911百万円、流動資産が短期資産運用による有価証券の増加等により40.5％増の1,768百万円です。

負債

負債の総額は、4,000百万円（対前年比8.1％増）です。内訳は、固定負債が資産見返負債等の増加により1.1％増の2,450百万円、流動負債が退職者の増加による退職金の未払金等により21.3％増の1,549百万円です。

資本

資本の総額は、43,684百万円（対前年比微増）です。内訳は、資本剰余金が施設整備のための国からの財源措置を資本剰余金とすること等による増加と、減価に対応する収益の獲得が予定されない資産の減価償却費を損益外処理とするための減少により差引60.5％減の△650百万円、利益剰余金が当期未処分利益及び目的積立金等により67.4％増の641百万円、政府出資金は前年同様43,693百万円です。

費用

経常費用の総額は、7,822百万円（対前年比2.9％増）です。内訳は、人件費を除く業務費（物件費）が、施設整備費等の減少による修繕費の減少、光熱水費の削減、目的積立金の取崩による増加等により差引5.0％減の1,416百万円、人件費が欠員補充等により退職金を除く人件費が0.1％増の5,736百万円、退職者の増加による退職金が74.7％増の669百万円となっており合計4.8％増の6,405百万円となっています。

収益

経常収益の総額は、8,137百万円（対前年比4.9％増）です。内訳は、運営費交付金収益が効率化係数による減、特別教育研究経費及び特殊要因経費獲得額増加による増及び退職者増加による退職金支給額増等により差引6.3％増の5,307百万円、授業料収益が資産取得減少による収益額の増加等により3.6％増の2,196百万円、入学料収益が入学者減少により2.4％減の319百万円、検定料収益が志願者減少により18.3％減の67百万円などとなっています。

当期総利益

以上による理由と目的積立金取崩により、当期総利益は364百万円となり、昨年度（166百万円）に比べ、198百万円増加しています。

総評

この財務諸表によれば、本学の経常収益合計は8,137百万円（対前年比367百万円増）、経常費用合計は7,822百万円（対前年比198百万円増）となっており、差し引き当期経常利益は315百万円となっています。この原因は、昨年度に引き続き、本学では厳しく業務を見直し、その効率化を図り、管理経費を節約（光熱水費や通信費など）したことにより生じたものです。なお、退職者の増により、退職金が増えたため、本学の人件費の経常費用に対する割合は、81.9％（昨年度は80.4％）となっています。

愛知教育大学理事
松田 正久 （財務担当）