令和4年度 卒業式 学長告辞

2023年3月23日(木)

令和4年度 卒業式 学長告辞

毎年、私が楽しみにしている自然科学棟横?演習棟前の枝垂れ桜は、ちょうど満開を迎えています。グラウンド脇の本学自慢の桜並木も開花し、いよいよ春本番を感じ、新たなステージに期待感を抱く季節が到来しています。

本日、晴れて、卒業ならびに修了の日を迎えた皆さん、卒業?修了を心からお祝い申し上げます。今日まで皆さんを支えてこられたご家族の皆様も喜んでいらっしゃると思います。

皆さんの新たな門出にあたり、愛知教育大学を代表して、祝福の言葉を述べさせていただきます。

 皆さんは、今、1つのステージを終え、4月からの新たなステージに向けて、若干の不安はあるものの、希望と期待感に溢れていることと推察します。しかし、皆さんの希望と期待感とは裏腹に、ウクライナでは1年以上戦火が続き多くの尊い命が奪われています。トルコ?シリアでの震災では、54,000人を超える方が亡くなり、3月初めのユニセフによる報道では、400万人の学校に行けない子どもが出ているとのことです。また、新型コロナウィルス感染症で国内だけで70,000人を超える方が亡くなっています。皆さんの周りには、多様な環境におかれた人々がいます。このような状況を常に心のどこかに留め、自分ができること、配慮しなければならないことを考え、夢に向かって邁進してほしいと思います。

令和4年度 卒業式 学長告辞

学部を卒業する872名の皆さんは、ほぼ「令和」で学生時代を過ごしたことになります。コロナ禍の令和2年度前期は完全に遠隔授業を要請し、部活?サークル活動も控えてもらいましたので、大変な思いをさせましたが、皆さんは、様々な工夫をしたり助け合ったりして各種実習や教員採用試験などの就職活動を乗り切ってくれたことと推察します。その過程では、自分の努力だけでなく回りの方々の支えがあったと思います。

教職大学院及び修士課程を修了される98名の皆さんの在学中は、大学院を改組した過渡期でした。特に、教職大学院は、定員をそれまでの倍以上の120人とし、コースも増やしました。指導体制も変わりました。新しくなった教職大学院に入学した方は、第2期生となります。本学の卒業生は比較的少なく、様々な大学を卒業された方々が切磋琢磨できたと思います。この2年間で築いた関係を教師になっても大切にしてください。修士課程の皆さんも、コロナ禍で思うような研究活動ができなかったと思いますが、今後も指導いただいた先生方とのつながりを大切にしてください。

特別専攻科を修了される33名の皆さんは、特別支援教育に貢献したいという思いで入学し、研鑽を重ねられ修了されたことと思います。学校現場では特別支援教育の担い手のニーズは高まっています。活躍を期待しています。

次に、本学が現在重点をおいて取り組んでいることについて話します。私が3年前に学長に就任し、「子どもの声が聞こえるキャンパス、地域から頼られる大学」を本学の目指す姿とし、その実現に向けて、ステークホルダーの皆様から意見を聴取し、令和3年3月に中長期ビジョンとして、未来の教育を協働?連携して創造する「未来共創プラン」を策定しました。そのビジョンは、「愛知教育大学は、子どもと共に、学生と共に、社会と共に、附属学校園と共に、未来の教育を創ります」としています。「子ども」とは幼児から高校生までを指し、「社会」とは地域社会、学校、教育委員会、海外の協定校、関連企業等を指します。
このプランの説明と協力の依頼に、県内全ての市町村の教育長、54名の皆様を訪問しました。その方々から教職や教職を支える専門職を目指す本学の学生に大変期待をしており、「協力を惜しまない」「巻き込む、つながるリーダーシップを発揮してほしい」とエールを送っていただきました。また、特別支援教育の充実やICT活用指導力の育成、外国籍児童生徒の支援等の共通の課題のほか、各市町村特有の課題についても共有しました。その期待に応えることができるよう、質の高い教員等の養成に邁進したいと考えています。

 今年度もいくつかの取り組みをしました。11月には、近隣の子どもたちを対象にした「第2回あつまれ、子どもキャンパス」を実施しました。学生?教職員等で約20のプログラムを用意し、約300人の小学生が来てくれました。また、同月には、テレビ?新聞などの報道関係者3名と小中学校の校長先生2名と私が登壇し、「学校?メディア?大学で共創する教育の未来」と題してシンポジウムを開催しました。教職をめぐる困難な状況を回復するために、メディアや学校、大学が社会に向けてどのように発信してきたか、また、どのように発信したらよいかを議論しました。後半は中学生や高校生を含む約170人の参加者でグループディスカッションを行いました。さらに「新たな学び?学校のかたち」と題した叢書の第2号も間もなく出版します。皆さんの中にも、これらの企画に協力してくれた方もいると思います。

これらの企画の根底には「教職の魅力」を高めることがあります。これは国立の教員養成系大学として行わなければならないことです。近年全国的に教員養成系学部?学科の入試倍率は低下傾向にあります。今年度、小学校教員採用試験の倍率は2.5と過去最低を記録しました。本学の教員養成課程の卒業生も教員になる人の割合は少し回復しましたが、約74パーセントです。一方、35人学級が実施されることになり、新たに10,000人以上の教員が必要になるとされています。今こそ、社会と共に「教職の魅力」を高め、未来を担う子どものたちを育てることに意欲のある若者を増やしていくことが重要です。そこで、「未来共創プラン」の戦略3として、「教職の魅力共創プロジェクト」を立ち上げて取り組んでいます。現在、附属図書館入口の「AUEインフォメーションギャラリー」でその成果を展示しています。ぜひ、見てください。4月から教職に就く皆さんは、一人一人の子どものよさに目を向けることを心がけてください。今回は別の道に進む皆さんもほかの職業等での成長を、ぜひ将来、学校教育に活かしてください。教職を支える専門職に就く人は、教員と協働して未来の教育を担ってほしいと思います。

本学は今年創基150周年を迎えました。正門手前の大看板もそのバージョンに変えてあります。本学の前身は、明治6年(1873年)に、名古屋市に設立された「愛知県養成学校」です。今年は2023年ですので、そこから数えると創基150周年となります。明治9年には、「愛知県養成学校」が「愛知県師範学校」となりました。明治8年には、「教員養成附属小学校」が、今の中区と東区にまたがるあたりの久屋町に設立されています。翌年に「愛知県師範学校附属小学校」と改称されています。それが、附属名古屋小学校の前身となります。明治32年に「愛知県第一師範学校」「愛知県第二師範学校」となり、昭和24年(1949年)に「愛知学芸大学」に、そして昭和41年に「愛知教育大学」と改称され、昭和45年(1970年)にこの地、刈谷市井ケ谷町に統合移転し、現在に至っています。令和5年11月19日日曜日に記念式典の開催を予定しています。ワーキンググループも立ち上げ、記念式典、記念植樹、記念音楽会、パンフレット作成、記念写真展等を計画しています。

皆さんは、卒業?修了されると私と同様、本学の同窓生となります。どうかここを巣立った後も、本学ならびに同窓会の活動も支えてください。本学での学びを礎に、健康に留意され、教育の未来を共創していく皆さんの可能性に期待して、卒業?修了にあたっての告辞といたします。

令和5年3月23日
愛知教育大学
学長 野田 敦敬

Page Top