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教員養成系大学における障害学生支援ブックレット
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教員養成系大学における障害学生支援ブックレット
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本書をお読みくださり、ありがとうございました。最後に、編集幹事の立場から、本書の編集?発行にあたって、改めて考えさせられたこと を記させていただきます。
障害学生支援は、最近ではあたりまえになってきました。たくさんの大学で障害学生支援のガイドラインがつくられ、名前は異なるものの障害学生支援の専門部署が立ち上がり、専任の教職員を配置するようになりました。 その一方で、本書があつかっている教員を目指す学生の支援については、その必要性は感じられつつも、あまり取り上げられてこなかったように思います。本書では、第Ⅱ章において、教員免許の取得に必要な単位の履修、教育実習、教員採用試験対策など、具体的な場面でどのように支援をしたらよいか、ひとつの考え方を提案できたように思います。また、第Ⅲ章では卒業生や修了生からの声、第Ⅳ章では各大学の支援活動も紹介できました。わが国では、こうした資料はまだ少ないため、このテーマについて、一般化されたあり方を提案することはむずかしいものの、貴重な資料を提供できたと考えています。本書を手に取られた教員養成系大学の支援担当者の方には、ぜひ、本書をお役立ていただき、教員を目指したいという学生の夢に寄り添い、ひとりでも多くの学生を支えていっていただけないかと願っております。 ところで、私の専門分野である視覚障害の領域でみると、視覚障害のある学生はここ数年700名前後であり、障害のある学生のうちに占め る割合は多めにみても5%程度です。このため、視覚障害のある学生は、大学に入学してもピア(同じ障害のある仲間)と出会うことは少なく、彼らの支援担当者も視覚障害に応じたノウハウをもっていないという状況がめずらしくありません。たとえば、「視覚障害のある学生が今度教育実習にいくので、何に気を付けて支援したらよいか」と悩む支援担当者は多いです。 本書を制作する過程では、HATOプロジェクトに参加する4大学を中心に、宮城教育大学、広島大学、福岡教育大学の教職員が密に情報交換することができました。そのなかで、上記のような問題についても、各大学の教職員間で議論がなされました。その内容は視覚障害に限らず、障害種ごとに問題や支援のノウハウの共有がなされていたように思います。こうしたネットワークは、本書の制作に参加した各大学にとって貴重な財産になったと思います。 ここで形成されたネットワークを強化しながら、将来的に教員を目指す障害のある学生の支援のあり方を、障害種を考慮して発信できるようになればと期待しています。 最後になりますが、本書の発行にあたっては、北海道教育大学、東京学芸大学、大阪教育大学、宮城教育大学、広島大学、福岡教育大学の教職員の方々、そして、教員養成系大学の卒業生?修了生の方々から執筆協力をいただきました。本書がさまざまな障害種の事例を掲載でき、バランスよい内容に仕上がったのは、こうした執筆協力者の方々のおかげであり、編集担当となった本学の教職員だけでは実現できなかったことでした。ここに深く感謝の意を込めて、お礼申し上げます。
平成29年3月吉日
愛知教育大学障害児教育講座 相羽大輔
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