HATOプロジェクト大学間連携による教員養成の高度化支援システムの構築
-教員養成ルネッサンス?HATOプロジェクト-

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教員養成系大学における障害学生支援ブックレット

第Ⅳ章 第4節 大阪教育大学

1.支援体制?支援サービス

本学の障がい学生修学支援ルームは平成 24 年度に設置開設されました。このルームは学生支援課内にあり、副学長を委員長とする障がい学生支援委員会の審議に基づいて運営されています。本学には柏原及び天王寺にキャンパスがあり、両キャンパスの障がい学生支援業務をルーム長?コーディネーター?学生支援課係長?同主任?同事務補佐員の5名が担当しています。また、ルームには特別支援教育講座教員をはじめ、関係教員との連携による障がいごとの専門部会も設置されています。 本ルームでは、障がい及び社会的障壁により、継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受けている学生本人の申請に基づいて、必要な修学支援を実施しています。学生からの支援申請に基づいて、コーディネーターとの面談?支援計画の作成?専門部会での検討などの過程を通じて、指導教員との連携、支援利用学生への説明と同意を得ることにも配慮しています。修学支援の具体的な内容は講義などにおける意思疎通や柔軟な変更などによる配慮、日常の相談支援及び授業担当教員及び指導教員との連携などで、支援利用学生一人ひとりのニーズに応じた支援を実施できるようにしています。また、教員養成課程の「積み上げ型教育実習」やインターンシップなどの学外における支援にも取り組んでいます。 本ルームのモットーは「共に気持ちよく学び合う活動」の推進と、いつでも誰でも「Welcome」の精神です。支援利用学生も支援協力学生も相互に学び合いながら、助け合いながら、成長し合えるルームの活動を目指しています。ルームには学生達が交流などのために活用できるフリースペースも設置されています。 ルームではアクセシビリティーリーダ育成協議会(事務局:広島大学)認定の資格取得、要約筆記に関する大阪府及び柏原市との連携、また、学生には活動実績に応じて支援協力活動証明書も発行しています。

2.特色ある取り組み

本学の支援活動の特色の1つは、ルーム開設以前から障がい学生の支援活動が学生のボランティア活動を中心になされてきたことです。これらの学生による支援活動の実績や守秘義務の遵守などはルーム開設後もたいせつに引き継がれています。
平成28年度の支援協力学生の登録者数は約130名です。支援協力学生はそれぞれの専攻分野の知識や技能を活かして、支援活動に従事するとともに、以下の学生スタッフ組織による支援スキルアップなどにも取り組んでいます。もちろん、支援利用学生もこの組織に関わり、研修の講師なども務めています。
学外での活動においては、毎年、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)シンポジウムの実践事例コンテストに参加して、他大学の学生達との交流や自らの支援活動の振り返りなどにも積極的に取り組んでいます。
また、ルーム開設後は毎年、学生相互の交流と研修を兼ねた夏の研修合宿も実施しています。これからも、本学学生が培ってきた学生による学生のための支援という精神を生かしつつ、ルームに関わりのある方々の思いや願いを反映できるように配慮しながら、教員養成大学である本学における障がい学生支援のあり方を構築していくための努力を続けていきたいと考えています。

ルームリーダー会議の組織図

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※各学生スタッフリーダーと学生代表でルームリーダースタッフ会議が構成されている図。各学生スタッフリーダーには、研修リーダー(模擬授業スタッフ?ノートテイク研修スタッフ?PC研修スタッフ?手話研修スタッフのまとめ役)、機器リーダー(機器開発スタッフのまとめ役)、広報交流リーダー(広報スタッフ?交流会スタッフのまとめ役)、学生チームリーダー(視覚チームスタッフ?聴覚チームスタッフ?肢体チームスタッフのまとめ役)、利用学生リーダーが含まれる。

参考資料:大阪教育大学 障がい学生修学支援ルーム年報

(平成24年度版?25年度版?26年度版)

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