HATOプロジェクト大学間連携による教員養成の高度化支援システムの構築
-教員養成ルネッサンス?HATOプロジェクト-

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教員養成系大学における障害学生支援ブックレット

第Ⅳ章 第3節 東京学芸大学

1.障害学生支援体制と『障がい学生支援室』の役割

障がい学生支援室は、修学や学生生活において支援ニーズのある学生から相談を受け、個々に応じた支援を行う部署として平成25年4月に開室しました。それ以前にも各講座、学生支援に関わる事務部、保健管理部署などで障害のある学生への個別対応は行われていましたが、障害のある学生の増加やニーズの多様化に応じるため組織化と支援体制が整備されました。現在は学生のキャリア形成支援、健康サポート、各種相談などトータル的に支援を行うために学内の諸機関を有機的に結び付けた「総合学生支援機構」の一部として位置づけられています。

障がい学生支援室の構成員

室長 1名
学系選出委員 4名
室委嘱委員(種別専門) 3名
コーディネーター 講師1名
事務部 (学務課?学生課)

障がい学生支援室は大学構内の中心、アクセシビリティの良い場所に窓口となる部屋を構え、相談や支援?合理的配慮のコーディネートのための専任教職員が常駐しています。相談希望のある障害のある学生本人や保護者、友人、教職員の来室に限らず、リソースルームとしての役割や、支援活動に参加する学生サポーターたちのミーティングやスキル練習スペースを備えています。年間の延べ来室者数は2000名を超え、障害の有無や種別にかかわらず、ともに学び、集う場となっています。

障がい学生支援室の活動の様子はこちらから~学生有志が情報発信しています

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2.特色ある取り組み

(1)個別支援チーム

booklet_04_03_team.jpg障害に関わる修学?学生生活上の個別ニーズに応じるために、障害のある学生一人ひとりに教職員の「個別支援チーム」を発足する本学独自の支援システムがあります。長期的な支援方針の共有と、時期や課題毎の具体的配慮内容の検討がスムーズに行えるように連絡体制を整えます。チームの設置にあたって、①学生本人による申請書作成→②申請にともない指導教員?教室主任との調整→③支援室内でチーム設置の検討と構成員決定→④チーム内の連絡調整とチーム会議の開催という一連の流れがあります。このプロセスに沿って学生本人が自分自身の状況や状態を見つめ直す機会となること、保護者への理解や協力を得ること、教職員もチームの中で安心して学生への指導?対応ができることもたいせつにしています。

(2)学生主体の活動

実際の支援活動の多くを学生サポーターが担っています。例年、200名近い登録者数があり、学内に理解や支援の輪が広がっていることを実感します。情報保障やICT活用など多様な支援スキルの獲得と同時に、仲間と関わりながら互いに学びあう機会を得ています。授業履修に際し、教員に伝える合理的配慮の依頼事項を障害のある学生と学生サポーターの双方の視点からまとめたリーフレットは、教職員の意識を変える大きな影響力がありました。学生主体の活動は障害を含む"多様性"への理解や対応のできる学校教員養成にも貢献しています。

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