第2節 愛知教育大学 ※校章省略 1.支援体制?支援サービス 平成27年度まで、障害のある学生の就学支援について協議?検討を行う専門委員会や、障害のある学生の就学支援に関する学内規定がなく、学生支援部?保健環境センター(平成28年度からは健康支援センター)が障害学生支援業務を担っていました。障害のある学生にたいする事前の支援面談については、障害児教育講座のスタッフ、とくにクラス担任や指導教員が窓口になることが多く、入学直後のほか、教育実習や教員採用試験など、必要なときに相談を行っていました。また、クラス担任などが各学生の支援ニーズをヒアリングしたうえで、当該学生の障害種に対応した領域の教員が支援体制を構築できるよう働きかけていました。 平成28年度より、本学学生の修学や大学生活の充実に向けた総合的な相談窓口として「愛知教育大学なんでも相談室(以下、相談室)」が設置されました。また、相談室の設置にともない、「愛知教育大学障がい学生サポート委員会(以下、委員会)」も組織されました。 相談室は全学生を対象とした相談受付および関係部署への連絡調整を行う部署です。その業務には「障害に対する社会的障壁の除去等に関する相談受付と関係部署への連絡調整を行うこと」が含まれています。相談室でこのような相談を受けた場合には委員会につなぎ、委員会で障害のある学生から申し出のあった社会的障壁の対応について審議することになります。平成28年度には、担任と連携して障害のある学生との面談を行うなど、相談室が障害のある学生にたいする事前の支援面談の窓口としての役割を担いました。なお、相談室にはスタッフとして室長、副室長および学長が必要と認めた職員を置いています。 2.特色ある取り組み ※情報保障支援学生団体てくてくのロゴマーク省略 本学の特色ある取り組みとしては、聴覚障害学生の情報保障を行う学生主体の支援組織「てくてく」があります。この活動は平成19年ごろからはじまり、10年目となる現在は約200名の登録があり、週に約50コマの講義、週末の集中講義、大学の行事などで活躍しています。「てくてく」はパソコンテイクを中心に情報保障を提供していますが、情報教育講座の教員の協力のもと、自宅からでもできる遠隔情報保障システムの運営にも先駆的に挑戦してきました。また、障害児教育講座の教員の協力のもと、「聴覚障害学生支援マニュアル」を作成して全学の教員に配布したり、支援学生を養成するためのリーフレットを作成し、年度当初のガイダンスで配布したり、理解啓発活動にも取り組んできました。 平成26年からは、3年連続でAUE学生チャレンジ?プログラムに採択され、更なる活動の活性化にも取り組んでいます。新たな活動として、支援技術を向上させるために外部講師を招いて研修会実施したり、他大学との情報交換のために日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)のシンポジウムに学生を派遣したりしました。 また、より身近な活動を目指して団体のロゴやパーカーもつくりました。「てくてく」は採択された活動のなかでも特に評価され、平成27年度にグッドプラクティス賞を受賞しています。 【研修会の様子】※写真省略 利用学生体験をしながらよりよいパソコンテイクについて学びました。 【てくてくパーカー】※写真省略 校章の「カキツバタ」の紫色を基調に、背中に「てくてく」のロゴを入れました。