1月31日(水)、教職キャリアセンター教科教育学研究部門と未来共創プラン戦略2「教育のプラットフォーム構築プロジェクト」の共催で「教育のプラットフォーム構築シンポジウム~授業記録を通して学び合う価値とは何か?~」を開催し、地域の教育関係者19人、本学学生15人、本学教職員17人の合わせて51人が参加しました。
今回のシンポジウムは、本学名誉教授である 故 霜田一敏先生より寄贈された授業記録が大学会館に開架されたことを記念して開催されたものです。同資料は、帝塚山学園授業研究所の 故 重松鷹泰所長をはじめとする研究所の諸先生方が、長年にわたる研究活動を通して集めたもので、授業研究には欠くことのできない貴重な授業記録です。本学教職キャリアセンターの前身である教科教育センターでは、11,021 点に及ぶ膨大な授業記録を製本し、1985年3月に刊行しました。これまで本資料は、3冊の目録と共に、美術?技術?家庭科棟で開架していましたが、建物の改修工事に伴い、2023年11月、新たに大学会館1階に開架しました。
はじめに野田敦敬学長から開会のあいさつがあり、宇都宮大学教授の溜池善裕氏と元豊川市立東部中学校長の白井博司氏をシンポジストにお招きして、野田学長とともに重松所長が残された寄稿「ぼくのキアゲハを返して」(『研修』 1982年8月号)を中心に、授業記録を通して学び合う価値とは何かを問い、本学や地域の教育研究にどのように活用していくべきかを考えました。
次に4~6人のグループに分かれてグループディスカッションを行った後、各グループから話し合われた内容が発表され、「授業記録は現在求められている個別最適な学びを実現する貴重な資料であり、それは時代が経っても変わらない」「授業記録は教師が自らを振り返る鏡であり、なおかつ多様な意見を聞いて学びを得ることができる」などが紹介されました。
最後にシンポジストから総括があり、「授業記録に残っている子どもに出会えることが新たな発見だった、授業記録の価値が見直されるとよい」「授業記録を読むこと自体が授業をよくしていく、自分を更新していく機会になればと思う」と述べられました。
シンポジウムが終わった後も、参加者は開架された授業記録を見ながら、授業記録の収集にかけた先人に思いを馳せるとともに、未来の教科教育学研究の在り方を考える良い機会となりました。
今後も教育のリソースデータバンクを設置することで、教育現場の課題解決に貢献する教育のプラットフォームを構築することを推進してまいります。
(学術研究支援課 研究支援係)